～こだわりの生麺パスタとの出会い～

パスタの麺は2種類

パスタには乾麺と生パスタの2種類があります。
ご家庭では乾麺を使うことが多いと思います。
今はイタリアの乾麺だけでも種類豊富にネットで購入することができます。

乾麺は歯切れがよく、アルデンテの食感がだしやすいのが特徴で、どんなソースとも相性抜群。
一方、生パスタは水分を多く含んでいるので、モチモチとした食感が特徴でソースとしっかり絡むので濃厚なソースと合わせるとより美味しく楽しむことができます。

レストランでは･･･

多くのお客様に食べていただき、多くの調理をしていくのがレストランです。
そのため、乾麺を使用しているお店も沢山あります。
乾麺のツルっとした表面の茹で上がりと歯切れのいい食感は多くの方に好まれています。

自家製生パスタをだしている店も沢山ありますよね。
生パスタのモチモチとした食感がなんとも特別感があるのも生パスタの保存期間が短くいつでも食べられる手軽さがないことが「特別」なものにしているのかもしれません。

パスタにこだわった店での「衝撃」

ある日のこと。
急にパスタが食べたくなった。パスタの美味しい店は沢山ある。
お腹もすいていたが、その時は、皿の中央にほんの少しのパスタがのっている店でもいいからプロがこだわったパスタが食べたくなった。

「そうだ。ちょうど近くにあるではないか」

その時にいた場所から徒歩で行ける所に有名なイタリアンの店があった。

早速来店。
前菜2種とパスタを頼んだ。お供に白ワイン。
味だけでなく食感や香りも楽しい前菜を食べ、いよいよ「パスタ」だ。

見るからにモチモチの麺は確実に生パスタだということは一瞬でわかるほどだった。
少し硬そうに見えた。

ひと口目。
モチモチしているが、ネチっとはしていない。
とても歯切れがいいのだ。
モチモチとした香り高い麺に色がつくほど絡みつくソース。
単純に「美味しい」というより私は考え込んだ。

この生パスタは自家製なのか･･･
沢山のお客様に同時に提供することが可能なのか･･･
茹で方が通常の生パスタとは違うのか･･･

考え込みながら1皿のパスタを食べ終えた。
「あぁ、美味しかった！」
頭では色々考えていたが、夢中で食べ終えてしまった。
店の状況を把握したあと、スタッフの方の了承を得てもう一皿パスタを注文した。

2皿目は頭で考えずに、ただただ美味しく食べた。
私は1皿目を食べ終えて、すぐに「また食べたい」と思ってしまったのだ。
衝撃的な出会いだった。

行動が実った瞬間

あのパスタの麺をどうしても仕入れたい。
そう思った私はすぐさま行動にでた。
辿り着いたところは、ある老舗の製麺所だった。
しかも有名すぎるほどの製麺所だ。

電話で問い合わせ、あの衝撃的な出会いをした麺を仕入れたいと伝えたところ、「製麺所のキャパ的に8年間新規の取引はしていない」ときっぱりとはっきりと断られた。

そこで私は考えた。
「どうしたら仕入れられるか」
普通は断られたら、それで終わりになるのかもしれない。
ただ、私にとってそんなに簡単に諦められる出会いではなかった。
しかもこの麺以外に他の代替えがあるとも考えられなかった。

次の日。製麺所に行った。

「昨日パスタの仕入れをはっきり断られたものなのですが」

「来ると思っていたよ」

ここからの私たちの会話は永遠と続いた。
麺に対する思い、こだわり。どうして新規の契約をしないのか。などなど。
麺に対する熱い気持ちとチャレンジする強い意志を聞いて私のワクワクは止まらなかった。

「お話を聞いて更に、仕入れたい気持ちが強くなりました」

「うちから仕入れな。旨いパスタを作って沢山の人に食べてもらってくれ」

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